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ご挨拶

呼吸器外科 教授 淺村尚生

呼吸器外科 教授 淺村尚生

慶應義塾大学医学部呼吸器外科教授の淺村尚生です.平成26年10月1日に呼吸器外科教授に着任を致しました.宜しくお願いを致します.この度ホームページを更新致しました.是非ご覧頂き,ご参考にして頂きたいと思います.

私事になりますが,(独)国立がん研究センタ-中央病院には,レジデント時代を含めて28年の長い間在籍を致しました.私が慶應に参りました事情を簡単にご紹介致します.国立がんセンタ-では,肺癌については本邦最大の手術件数を維持することができました.そして,国立がんセンタ-での肺癌診療は,見事にシステム化された世界に誇れるものであったと思っています(というか,世界標準以上を目指した診療体性の確立が使命でありました).その一方で,私の中では,そういった診療に足りない部分や,改良した方がよい部分も目につくようになって参りました.何かを優先すれば,何か犠牲になる部分が生じることは仕方のないことではあります.慶應の肺癌治療チームでは,がん専門の医療機関にはない特徴と体制をもって,慶應ならではの治療に当たっています.その特徴を3点挙げてみましょう

1.患者さんの経過全体に目を配った診療体制:“治療の司令塔”

特に集学的な取り組みが必要となる癌診療では,専門性を高めるほど,主治医との関係が希薄になりがちです.このことは,私がずっと気にしていたことでした.私がよく覚えている患者さんがございます.外科手術は首尾よく成功致しましたが,切除標本の病理診断は,悪性度の大変高い小細胞肺癌でありました.そこで再発予防のために,補助化学療法を呼吸器内科で施行し,再び私の外来で経過観察をしておりましたところ,骨転移で再発を来たしたため,さらに再び,放射線治療と呼吸器内科での化学療法を施行することになりました.確かに,このように比較的短期間の間に患者さんの状態が変化して,治療の主体となる担当医が目まぐるしく変わるのは,仕方のない面はございますが,この患者さんは不安そうに“先生,結局誰が最後まで診てくれるんですかねえ,私のこと?”と言われたのです.このような状況では,確かに肺癌の治療経過全体を見ながら,患者さんに適切なアドバイスを与えられる司令塔が必要なのです.患者さんの不安に適切に応えるものがいないと,“確かに,その場その場では,それなりの対応や答えが返ってくるのだけれども,いったい誰が私の全体像を診てくれているのか?”ということになってしまったのだと思います.

私ども慶應の肺癌チームでは,外科内科放射線科の強力な集学的診療体制をとって,切れ目のない診療を実践しておりますが,その一方で,患者さんが最も信頼を寄せている主治医との関係を患者さんの状況に関わりなく,その信頼関係を極力保持してトータルな患者管理を徹底してゆける体制を確立しております.

2.がん以外の強力な専門診療のバックアップ

どうしても高齢者により多く発生するのが癌であり,癌患者と言えば高齢者が多いことは当然です。このことは,癌患者が深刻な併存疾患を有していることも希ではありません.癌患者と言えば,併存疾患ありと考える方が良いのです.循環器,運動器,など,その疾病範囲は多岐にわたりますが,慶應病院には優れた診療科が全科そろっています.まず対応出来ないものはありません.この点は,安心して患者さんを慶應にお任せ頂ける大きな利点であると思います.

3.紹介医の先生方との協調体制

今後,慶應の肺癌診療においては,紹介してくださった先生方と協力強調しながら患者ケアに当たる体制を整備して参ります.患者さんの地元で,引き続き紹介医の先生方にはケアをお願いし,慶應病院においても専門的観点か癌の治療後フォローアップを維持して参ります.その中で必要に応じて,緩和ケアに至るまで適切な医療が提供出来る用に致して参ります.そのため,紹介医の先生方との情報共有を可能とする診療手帳の整備などを現在進めているところでございます.新しい癌治療のフォローのあり方を,紹介医の先生方と創り上げたいと考えています.

このように慶應の肺癌治療チームは,患者さんが治療全体について,様々な状況の変化があっても一貫性をもった診療体制を維持し,これによって患者さんが診療経過中不安を抱くことのないシームレスな診療を行っています.